私たちの取り組み

私たちについて

牧場長 平井崇昇

[通称:かまちゃん/乗馬指導有資格者]
公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会
ブリティッシュ初級
第21-005/自然体験活動指導者
(NEAL リーダー)|B000-01494|

遊びの中の学びとは

馬と仲良くなるには、上手に乗れるだけでは足りません。言葉を喋れない馬の気持ちを考えて歩み寄ることも大切です。それは優しく接するだけでなく、ダメなことをしたら「許さない」、よいことしたら褒める。
このメリハリで、馬は人の気持ちを理解しようと歩み寄ってきます。
パカラッチョ!!という名前の由来は、「草原を馬に乗って人馬一体となり「パカラパカラ」と駈歩(かけあし)している子どもたちがいっぱいできたらいいな」という思いでつけました。

「ゼロ村」 について

自然素材・自然エネルギーを活用する家づくりを軸に、環境事業、不動産事業、コンセプトショップを展開する(株)建築工房零の運営協力のもと開設した牧場です。ゼロの社是“地球と暮らそう” の具現化をめざし、自然の中で育まれる循環可能な暮らしへの挑戦・体験の場、それがゼロ村なのです。
「お金をかける便利より、汗のかける不便を楽しむ」そんな「健やかな暮らし」を提案していきます。

私たちの取組

見守り保育・教育について考察する

「また転んで怪我するから、やめなさい」と言われなかったら…
駐車場からパカラッチョまでは下り坂
この動画は、16時から開催されている「放課後パカラッチョ」に通う子どもの様子です。 駐車場から馬に乗れるところまで、砂利道を歩いてこなければなりません。その坂道を走ってくる子がいます。この子は、以前この坂を走って転んで顔をケガをして、大泣きした経験があります。 そのとき保護者は、怪我の手当てをして優しく接しておりましたが、「もう走っちゃだめ」など禁止語は言いませんでした。

その後、毎週通っている間に全速力で走っていても転ばなくなりました。
また別の子は、転んでからというもの、走らず慎重に歩いてく来るようになりました。
どちらも、自分で判断して行動した結果『走り続けて身体能力を向上させた』あるいは『砂利の坂道は走らない。という賢い選択』を学んだのだと思います。
保護者は、子どもにとって、とても重要な存在です(当たり前ですが…)。だから保護者から言われる一言一言はとても重いです。
その保護者から「危ないからやめなさい」とか「また転ぶから走るのやめなさい」といわれ、そのまま従った瞬間、(貴重な)痛い経験で、自ら答えを導きだす機会を失ってしまうのです。
ここ数年、学校教育の分野でアクティブ・ラーニングという学習方法が期待されています。
コンテンツの魅力や学習プロセスについての説明をききますが、私は、それ以前の「『子どもが自ら考え行動する』原動力をどう引き出すか?」の議論も大切だと思っています

アウトドア教育の可能性を考える。

最近、「子どもが野外で色々体験することって、大切だよね。」とよく聞くようになりましたが、いったい「どういいのか?」説明できる人はどれだけいるのでしょうか。
学校教育には、とても分かりやすいストーリがあります。
「 『1+1=2”である』と足し算を覚え、その連続で、期末期末のテストで優良な成果をあげ、いい高校の受験に成功して、いい大学の受験に成功して、いい職場の内定をもらって働き、いい嫁さんを見つけていい家族を作る。」
といった、学校教育の延長線上にある「大切さ」は、つねに親も先生も言ってくれるので、言われなくともわかりやすいイメージがすぐ出てきます。
「木登りをすると立体感覚が身に付く」という先生がいます。しかし、木登りが嫌いな人が木登りして立体感覚が身に付くのでしょうか? 

イヤイヤ「1+1=2」と覚えて、テストで表現できればそれは成果として残りますが、木登りをしても面白くなく、ただ登っているのはとても危ないですし、「どこを握って、どこに足をかけたいいのか?」に集中し、辿り着いたところからの風景に興味がいかなければ、立体感覚が身に付くとは思えません。

私が、パカラッチョで、5年間アウトドア教育の可能性を探ってきて気づいたことは、具体的な成果を求めてやったことには子どもの視点には制限となって映り(自分が主体的に選んでやった行為から離れていってしまう)、実際提供しているアクティビティに対して、楽しく取り組でいた人が、たまたま「〇〇くんは、意外にも△△ができるようになった」という、「たまたま出た効果」の連続であったことです。

例えば…
ある三人兄弟の末っ子のAさんに関して、「上二人のお兄さんはあまり『ありがとう』と言わないが、Aさんだけ(自然と)ありがとうを言える子に育っている」保護者から感想を頂きました。
ある子は、気が付いてみると、たまたま馬小屋掃除などを積極的にやる子に育っていました。
この二つの事例は、だれにでも当てはまることではなく、その子が経験しているインプットが、その子を通してたまたまアウトプットされたものです。

こういった史実から、今後パカラッチョは、
■「たまたまの成果」をどれだけ作れるか?
■また、その成果は再現性があるのか?
■再現性があるとしたら、そのしかけをどれだけ用意できるか?
に着目して、プログラムを考えたり、可視化(YouTube動画など)できるようにしたいと思います。